そう言えばここって感想ブログだったんですよねと呟きつつ何となく書いてみたくなったので書いてみますよっと。木ノ歌さんの作品は初めてです。新人賞受賞者としては把握してたんですが2年ぶりの新刊なんですね。
で、うーん。雰囲気先行で書かれている作品だなぁ、という印象。
半分ネタバレになるので細かく書きにくいですが、絶望を越えた虚無感とも何とも言えない感情を書きたかったのは分かりますし、そのための内面描写もしっかりしている。非常に精神的に喰らう話ですが。
なんか前提としての世界自体に違和感が多いのですよ。
・根本的に、自分の町を走る唯一の路線が廃止になることに全く無知で過ごすというのがあり得るのか?
・舞台設定が「携帯の電波も届かない」「村3つが合併してやっと町になった程度の田舎」なのに、そういう感じを全く受けない。
多分廃線に佇む荒廃車輌を出したかったんだろうな、というのは分かるのですが。自分の町で起こっていたことに対して主人公が無知すぎる。というのか、登場人物が全体的に頭が悪い気がするのです。人間ってバカだよね、という無知さではなく、話の展開上都合のいいところだけなんか抜けてるような印象を受けた。小さな田舎町なのに明らかに都会的無関心が流れているような、そんな雰囲気。ネタバレ→「4年前の事故」についてあまりにも無知すぎることも気になりました、いくら小学生とはいえ、父親なし母親不在でほとんど一家を見ている環境で、例えば事故に関係するいろいろなうわさ話などは耳に入らなかったのかと←
もう一つ、そこまで作り込んでおいて、クライマックス以降の描写がいかにもとってつけたような流れなのがどうにも気になって仕方がなかったです。ここまで持ってきてそういう葛藤の処理なのかと。ネタバレ→あれだけ死にたがっていた主人公の行動の転換があまりにも唐突で、正直きょとんとしました。←
非常にきれいな話を、儚くも美しい世界を描き出せる人だと思うのですよ。この美しさは確かに一つの才能だと思います。ただ、それが特筆できるだけに、ストーリーや設定の部分での粗が気になって仕方がない。今のところ雰囲気だけで作ってしまってる感じがします。
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